令和七年度優秀映画鑑賞推進事業
懐かしの映画上映会
2026年1月24日(土) - 2026年1月25日(日)
- 時間
1月24日(土)
①お早よう
開場 10:00 開演 10:30
②風の又三郎 ガラスのマント
開場 13:00 開演 13:30
1月25日(日)
③少年時代
開場 10:00 開演 10:30
④毎日が夏休み
開場 13:30 開演 14:00
- 会場
- 大ホール
お早よう
1959年 松竹(大船)
カラー/スタンダード/モノラル/94分
脚本 野田高悟
脚本・監督 小津安二郎
出演 佐田啓二、久我美子、三宅邦子、笠智衆、江杉村春子、設楽幸嗣、島津雅彦 ほか
(解説)
『東京物語』などで世界的に知られる小津安二郎監督による、子どもたちを主人公にした作品。東京郊外の新興住宅地を舞台に、テレビを買ってとねだり大人を困らせる子供たちと、近所付き合いの小さな波風にふり回される大人たちを描く。戦後の庶民生活を小津流に活写した作品で、とくに幼い兄弟のオナラのギャグが実に微笑ましい。ロー・アングルや端正な演出で知られる戦後の小津作品らしく、人物の巧みな出入りや、ほのぼのとした会話の妙などに独特の風格と軽快なテンポを感じさせる。青い空に緑の土手が映え、家具や生活雑貨、衣服などの計算されつくしたカラフルな色使いも目を楽しませる。
風の又三郎 ガラスのマント
1989年 朝日新聞社=東急エージェンシー=日本ヘラルド映画グループ
カラー/アメリカン・ビスタ/ドルビーステレオ/107分
原作 宮沢賢治
脚本・監督 伊藤俊也
出演 早勢美里、檀ふみ、小林悠、草刈正雄、志賀淳二、雨笠利幸、宇田川大、樹木希林 ほか
(解説)
宮沢賢治の同名原作は、1940年に島耕二監督の手で映画化されている。良質の叙情をたたえ、印象的な音楽もあいまって、その年度の「キネマ旬報」ベストテンの第3位に選出された名作である。伊藤俊也監督のこの作品は、そのリメイクではあるが、随所に新しい創作がなされており、見事に平成版の〈又三郎〉となっている。母と二人暮らしの少女、かりんの前にあらわれた高田三郎は、二百十日の風の日に転校してきたために「風の又三郎」と呼ばれる。実際、彼が来てからは不思議なことの連続だった。東北地方の豊かな自然を背景にした、子供たちの自然な演技は長期合宿による交流の成果である。冒頭のカメラの大胆な動きは、観客を一気にファンタジーの世界へと誘い込む魅力に満ちており、独自の視点で物語性に富んだ映像世界をつくりあげる伊藤監督の本領が発揮されている。
少年時代
1990年「少年時代」製作委員会
カラー/アメリカン・ビスタ/モノラル/117分
原作 柏原兵三、藤子不二雄Ⓐ
監督 篠田正浩
出演 岩下志麻、細川俊之、藤田哲也、堀岡裕二、小日向範威、山崎勝久、小山篤子 ほか
(解説)
学童疎開の体験を綴った作家・柏原兵三による自伝的小説「長い道」から着想を得て、藤子不二雄Ⓐ自身の戦中体験を盛り込んだ漫画「少年時代」を、藤子Ⓐ自らがプロデューサーとなって監督に篠田正浩を指名し、篠田の後輩にあたる山田太一を脚本に迎えて映画化した。「週刊少年マガジン」連載当初は読者からの反響も限られていたが、年の連載終了後に圧倒的な支持を受け、藤子Ⓐが長いあいだ心に温めていた企画である。東京から富山に疎開してきた小学年生の進二と、地元のガキ大将・武との触れ合いを軸として、年の夏から終戦の夏へといたる季節の移り変わりを表す美しい映像とともに、少年たちの心の成長の様子を丹念に描き出している。逼迫する戦況や大人たちの姿はほとんど画面上から遠ざけられ、東京出身者と疎開先の少年たちを取り巻くぎくしゃくした関係や、いじめ等が淡々と描かれる。やがて終戦が訪れて進二が東京に帰る日となり、みるみる小さくなってゆく汽車を必死になって追いかける武の姿で、少年たちの心のわだかまりも一気に解消される。主題歌にはロングセラーとなっている井上陽水の同名オリジナル曲。日本アカデミー賞・最優秀作品賞ほか受賞多数、「キネマ旬報」ベストテン第2位。
毎日が夏休み
1994年 パイオニア=サンダンス・カンパニー
カラー/アメリカン・ビスタ/モノラル/94分
原作 大島弓子
脚本・監督 金子修介
出演 佐野史郎、佐伯日菜子、風吹ジュン、高橋ひとみ、益岡徹、黒田福美、小野寺昭、上田耕一 ほか
(解説)
東京郊外の新興住宅地に住む林海寺家は、父も母も再婚同士、娘はいじめにあって登校拒否、父も会社に出社せず外でぶらぶらしている。そんな娘と父がある日奮起し、おろおろする母を尻目に「何でも屋」を開業したことから家族の新しい展開が始まる。家長としての威厳とはまるで無縁の父親を演じる佐野史郎は、情念よりも「軽さ」を重視するこの映画の空気を体現。また雑誌モデルとして活躍していた佐伯日菜子が、娘のスギナ役で映画デビューを果たした。監督の金子修介とスタッフ陣は、少女漫画の第一人者大島弓子の原作が備える繊細さに対して、乾いたタッチと抽象的なキャメラアングル、そして個性的なキャスティングで挑み、日本の家族像を爽やかに戯画化した。
公演情報
| 日程 | 2026年1月24日(土) - 2026年1月25日(日) |
|---|---|
| 会場 | 大ホール |
| 時間 | 1月24日(土)①お早よう開場 10:00 開演 10:30 ②風の又三郎 ガラスのマント開場 13:00 開演 13:30 1月25日(日)③少年時代開場 10:00 開演 10:30 ④毎日が夏休み開場 13:30 開演 14:00 |
| 料金 | [全席自由・税込]1作品・500円 |
| チケット購入 | 團十郎芸術劇場うらら TEL:0761-20-5501(10:00〜18:00/水曜休館) |
| 主催・後援 | 主催:石川県小松市團十郎芸術劇場うらら・小松市/国立映画アーカイブ 特別協力:文化庁/一般社団法人日本映画製作者連盟/全国興業生活衛生同業組合連合会/松竹株式会社/東宝株式会社/東映株式会社/株式会社KADOKAWA |
| お問い合わせ | 石川県小松市團十郎芸術劇場うらら TEL:0761-20-5500(10:00〜18:00/水曜休館) |


